「晩鐘」

11月19日 佐藤愛子「晩鐘」★★★★☆
家でいろいろ本は読んでいるのですが、感想文となるとなかなか書けません。
久しぶりに大作を読みました。
佐藤愛子さんは御年94歳で、これは2014年に発表したもので、91歳の時の作品となります。今の私の母と同じ歳だ~ 考えられない。母は家では手におえないので、2014年にホームに入居したのです。
母より二歳下の田辺聖子さんだって、最近は小説を書いていないのです。
佐藤愛子さんのこのバイタリテイーはどこから湧いてくるのでしょう。
「晩鐘」は佐藤愛子さんの私小説です。15年間夫婦であった元夫畑中辰彦(小説の中での名前)との出会いから亡くなるまでの約55年間の出来事が綴られています。
この男が、悪気はないけどどうしようもないクズ男で回りを巻き込んで不幸にしていきます。
主人公の藤田杉(佐藤愛子さん)は惚れた弱みとは思えないけど、辰彦がどうしようもないことを起こすたびに怒りながらも心のどこかで面白がってお金を調達するのです。
杉どころか何人も何人も、金持ちからも貧乏人からも性懲りなく借金を繰り返すのです。辰彦付きの二人の運転手のうち、一人は会社倒産後自殺し、もう一人は妻子に内緒で家を抵当に入れて辰彦の会社の返済に当てました。辰彦のために不幸になった人は数知れないのです。
杉だって「債権者から家と家族を守る為」と言われて離婚したら、すぐさま若い女と再婚されて、その後も借金の尻拭いを何度もさせられます。その若い女でさえも夜の仕事で貯めたお金も宝石も貢がされます。家もだったかな・・・
こんな男、そばにいたら不幸になるだけと思っていても、ついついほだされるのでしょうか?
元々は金持ちの実業家の息子なので実家からもさんざん搾り取って、両親が亡くなった時、兄弟から遺産相続させられないと言われながら三千万円もらっても、借金の返済に右から左に消えました。親から搾取したのは、三千万どころではないはず。
面白かったけど、最後まで読んだら疲れました。
佐藤愛子さんは夫との間に一人娘がおられて、二所帯住宅で住んでいるそうです。娘さんが生まれたことは夫に感謝しているとか・・・
畑中辰彦も一つだけでもいいことしたのですね。


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by s-jw | 2017-11-24 12:05 | 趣味 | Comments(2)

Commented by hiromama2015 at 2017-11-26 19:17
面白そうな小説ですね~。
検索してみたら図書館にあったので
リクエストしてみようと思いました。
くず男でも何か魅力があったのでしょうかね?

Commented by s-jw at 2017-11-26 21:59
> hiromama2015さん
こんばんは!
私はこの男の人の魅力が全然理解出来ませんでした。
本気かもしれないけど話は大きいし、嘘もつくし、一番嫌いなタイプです。
佐藤愛子さんだから対応出来たんだろうな~と思います。
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