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「花だより みをつくし料理帖特別巻」

10月11日 高田郁(かおる)「花だより みをつくし料理帖特別巻」★★★★★

高田郁さんの半年に一冊出る「あきない世傳 金と銀」シリーズをお休みしての「みおつくし料理帖」シリーズの特別巻です。
みをつくしシリーズの登場実物の後日談が、4編の短編として描かれています。
どの作品も懐かしい優しい友達に再会したように、嬉しく思いながら読みました。
シリーズ最後では、江戸で別々の人生を歩んでいた澪と幼馴染の野江が二人手を取り合って大坂に戻るところで終わっていました。
澪の旦那様になった源斎先生や、江戸に残った大勢の人達のその後が洩れなく描かれています。
ファンにとっては垂涎の一作です。
みをつくしシリーズは、これでお終いだそうです。
いくら「アンコール」「アンコール」と手を叩いて叫んでも、幕が下りて照明が点いてしまうようなものです。
淋しいですが、「あきない世傳」がまだまだ続くことを心より願います。
心を温かくしてくれる小説っていいて゜すね。


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by s-jw | 2018-10-18 20:42 | 趣味 | Comments(0)

今野敏「成就」隠蔽捜査6

9月22日 今野敏 隠蔽捜査1・2・3・3.5・4
10月1日 今野敏「成就」隠蔽捜査6 ★★★★★

大好きな今野敏さんの隠蔽捜査シリーズ、4までは文庫本を持っているので何度目かで読みました。1より2、2より3と主人公の大森署・竜崎伸也署長の変人ぶりに磨きがかかって、何度読んでも面白い。
ちょうど4を読み終わった頃に知人の家に行くと、廊下に何冊かの本が無造作に置いてあり、何気に見たら隠蔽シリーズの6と7があるではありませんか。
貸して下さるというので、とりあえず6だけお借りしました。
5はまだ読んでないのですが。
いやぁ、面白かったです。お気に入りの大森署の戸高刑事も大活躍。
今年の2月に作家生活40周年を迎えてのインタビューの中で、今野敏さんも戸高刑事がお気に入りだと話しておられます。描く作家さんが好きな人物だから、読む読者も好きになるのは当然です。
ドラマで戸高刑事を演じた安田顕さんのイメージで書いておられるそうです。
原作の1で初めて知った戸高刑事の印象は「感じ悪ぅ」 それがだんだん好ましく面白い印象になっていくのです。
それは主人公の竜崎伸也も同じ。合理主義で原理原則を重んじ相手の感情をおもんばかることなくものを言う。間違ったことを言うのではなく理路整然と正しいことを主張する。
読んでいて思ったのは、これはドラマの「水戸黄門」と同じ世界なのだと。最後に印籠を出して「この印籠が目に入らぬのか」があるので、読者はスカッ~として読了出来るのだと。
知人の家にはシリーズの7があったし、何より5を読んでいない。まだまだ至福の時を過ごせます。
私にとって、面白い小説を読んでいる時が何よりの至福の時間です。
調べたら5は文庫で出ているみたい。早速、これを読まなくては。

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by s-jw | 2018-10-04 19:12 | 趣味 | Comments(0)

「おらおらでひとりいぐも」

8月5日 若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」★★★☆☆

若竹さんは1954年生まれなので、63~64歳。55歳から小説講座に通い出し、デビュー作の本作で第54回文藝賞を史上最年長で受賞。史上二番目の高齢で第158回芥川賞を受賞しました。
睦月会の友達が貸してくれたので読みましたが、全篇東北弁で書かれていて、正直内容が今一つ頭に入ってきませんでした。
夫を看取り二人の子供を育て上げた74歳の桃子さんは、関東近辺の郊外の都市に一人で暮らしている。その桃子さんの心の内の言葉が全部東北弁で書かれています。桃子さんは東京オリンピックの年に上京したとあるので、関東暮しも長いはず。歳取れば生まれ故郷の言葉が自然と出てくるのでしょうか?
あるようでないようなストーリーの中で衝撃的だったのは、結婚してから家を離れて疎遠になっていた一人娘が実家にちょくちょく来るようになり、内心で喜んでいた桃子さん。一緒に来る孫も可愛い。ただ娘には目的があったようで、ある日お金を貸してくれないかと言う。返事が出来ないでいると「かあさんは私のことなんか・・・」と言って遠ざかってしまう娘。桃子さんはまた孤独な一人暮らしに戻ってしまいます。
もちろん若竹さんの実話でないのでしょうが、これくらいの創作が出来なくては小説は書けないのでしょうね。
最後は孫のさやかちゃんが壊れた人形を直して、とバスに乗って一人でやって来ます。
桃子さんも同居していたばっちゃには、いろんなことを教わったのです。
未来が少し明るく見える終わり方で、ホッとしました。


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by s-jw | 2018-08-10 09:57 | 趣味 | Comments(0)

「剣客商売」一~十六

7月5日 池波正太郎「剣客商売」一~十六★★★★★

何事にも終わりがあるもので、とうとう十六を読み終えてしまいました。
文庫本で一から十六もあるので安心しきって読んでいました。どの章もどの章も外れなし。最後の最後まで面白い小説でした。
20代の頃から池波正太郎先生の小説が好きで、特に「鬼平犯科帳」は何度も読み返しました。「剣客商売」は7年くらい前に初めて読んで、今度で三度目でしょうか・・・
内容は何となく覚えているけど、細かいことは記憶になく、どの話も初めて読んだようにワクワクして読みました。
主人公の秋山小兵衛が60歳から67歳まで描かれています。この小説を連載している時に、先生は67歳で亡くなられました。書き始めた時の先生の年齢は59歳なので、秋山小兵衛とともに歳を重ね追いついたとたんに亡くなられたのです。
67歳はいくらなんでも若過ぎます。長生きされていたら、もっともっと歳取った秋山小兵衛に会えていたのに、と思うと残念です。
ちなみに小説の中で、秋山小兵衛は93歳まで生きたと何度も書かれています。先生はそこまで小説を続けるおつもりだったのですね。その時は、小兵衛が62~3歳の年に生まれた孫の小太郎を主人公にするつもりだったと、後書きに書いてありました。

ずい分昔、私が24歳の時だったと思います。
池波先生は毎日新聞の日曜版に「日曜日の万年筆」というエッセイを連載されていました。読者欄だったと思いますが、私は「日曜日の万年筆」の感想文を送ったのです。昔から文章を書くのが好きだったんですね。
新聞に載せていただいて、景品として「毎日新聞」という字が浮き出たバスタオルが送られてきました。どんな内容だったかは覚えていないのですが、嬉しかったですね。自分が書いた文章を人様に読んでもらったのは、学校の作文以来、生まれて初めての事でした。そういう思い出があるので、池波先生に対しては特別な思いがあるのです。
しばらくは剣客ロスになりそうです。


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by s-jw | 2018-07-05 11:32 | 趣味 | Comments(0)

「あきない世傳 金と銀(5) 転流編」

3月3日 高田郁(かおる)「あきない世傳 金と銀 転流編」★★★★★

半年に一度の発売が待ち遠しくてたまらない小説です。
主人公の幸が天満の呉服商「五十鈴屋」の六代目徳兵衛と一緒になって、店主が倒れて立ち行かなくなった同業の店に手を差し伸べて大きくし、いよいよ二人して江戸へ店を出そうかという時に、またしても幸に試練が訪れます。
この時代、結婚した女は鉄漿だけでなく帯を前に結ぶことで既婚であることを現していたとか、鯨帯や昼夜帯といわれる裏表使える帯があったとか、初めて知ることが書かれています。鯨帯は白と黒だったのでそう呼ばれていたのです。
着物地だけでは商売を伸ばせないと、幸は鯨帯を柄物で作ることを思い立ちます。
片方を鈴の柄にして「五十鈴屋」のオリジナルである印にします。
今でいうブランドのロゴマークのようなものでしょうか。
しかし、しかし、最後に・・・
果たして幸は江戸に出店出来るのでしょうか?
本当に半年後が待ち遠しい。
しかも次は「みをつくしシリーズ」の番外編を書かれるみたいです。
あきない世傳は一年後になるのかもしれません。
みをつくしシリーズも好きなので、こちらも楽しみです。


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by s-jw | 2018-03-05 19:21 | 趣味 | Comments(0)

「一路」

2月19日 浅田次郎「一路 」上下★★★★★

浅田次郎さんの小説を久しぶりに読みました。好きな作家さんです。
一番初めに読んでのが「壬生義士伝」だったかな・・・
新選組で守銭奴や出稼ぎ浪人などと呼ばれた吉村貫一郎の義理と愛を貫く姿を描いた作品で、泣けて仕方ない作品でした。吉村自身は史実上の人物ではないけど、近藤勇や土方歳三、斉藤一なんかが出てきて、新選組好きの私ははまりました。
中井貴一で映画化された作品のDVDを家で観たら、号泣したことを覚えています。
「壬生義士伝」で浅田さんのファンになり、その後、「天切り松 闇語りシリーズ」、長編の「蒼穹の昴」「中原の虹」も読みました。この二作品は中国の清の時代を書いたもので壮大な内容でした。文庫本が家にあるので、もう一度読んでみたいと思います。
浅田次郎さんは、私曰くプロ作家なので、他には手を抜いて書いたような面白くない作品もあるのです。
「一路」は同じ時代小説でも「壬生義士伝」や天切り松とは様相が違っています。
江戸末期の参勤交代を描いた作品です。
父親が屋敷の失火で命を落とし、一人息子の一路(主人公の名前)が先祖が書いた古文書に則った古式ゆかしい行列の作法で参勤交代する。風吹が吹き荒れる中の山越え、急な流れの川越え、お殿様の病気に加えてお家乗っ取り等の難題が、次から次へと起こります。何か一つでも問題があればお家断絶の危機に陥るのです。
テレビドラマになったようですが、一話完結で話が進んでいきます。
また美濃・田名部(たなぶ)という架空の地から、鵜沼、妻籠、奈良井、下諏訪、深川、桶川等の実在する旧中山道の宿場町を通って江戸へと向かう内容になっています。
二年前に馬籠から妻籠まで山越えをしましたが、昔の宿場町と木曽の山道が残っていました。妻籠に現存する旅籠「松代屋」が、小説の中にも出てきます。
小説の行路通り歩く方のブログを読みました。全部は無理だろうけど、旧中山道の宿場町、歩いてみたいです。

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by s-jw | 2018-02-21 09:25 | 趣味 | Comments(6)

「九十歳。何がめでたい」

残りのレモン2個は薄い輪切りにして、250gの蜂蜜に浸け込みました。
3~4日で食べられるそうです。切って蜂蜜を注ぐだけなので簡単。私にはこんな手作りが向いています(笑)
いただいたレモン3個、無駄にしないで使い切りました。Sさんも喜んでおられることと思います。

1月24日 佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」
クラスの友達に借りて読みました。
小説ではなくてエッセイ集です。
佐藤愛子さんは1923年(大正12年)生まれ、御年94歳。この本を書かれた時は90歳から92歳まで。本の中で、卒寿何がめでたい、と怒ってらっしゃいます。
スゴイですね。頭も身体もしっかりしておられるのですね。
この前のエッセイの授業の時に、82~3歳の鶴島先生が、90歳過ぎた現役の作家は瀬戸内寂聴さんと佐藤愛子さんくらいだと言われていました。私の好きな田辺聖子さんは、どうも具合が悪いようです。
ご近所にも母と同じ歳(91歳)で、頭が冴えて自分の足で歩いておられる方がおられます。
いまだに旅行をしたり、この前は弟さんが動けなくなったので四国まで会いに行ったとおっしゃっていました。たくさんいたご兄弟も、この弟さんしか残っていないそうです。弟さん、幾つなんだろう・・・
こういう母親であれば、子供の気持ちも楽でしょうね。ついつい自分の母と比べてしまいます。
そういえば元気な高齢者はお肉が好きと言われますが、この方はどんなお肉も食べられないのだそうです。
書道部の新年会の時は、しゃぶしゃぶが付いていたので、お肉だけ近くの人に分けて下さいました。私ももらえてラッキーと喜んでいました。会社勤めの頃は、宴会の時、隣りに座りたがる人が多かったそうです。
魚だけ食べていても、元気で長生きの人もいるのですね。
佐藤愛子さんの生きるエネルギーは「怒り」から湧いてくるそうです。
私もそうだったな。怒りのエネルギーで仕事をこなしていたようなものです。
佐藤さんは90歳過ぎてから、花粉症も楽になってきたそうです。
それも一緒だわ。アレルギー性鼻炎がひどかったのに、最近はそんなこともない。くしゃみは出ることがあるけど、昔ほど頻繁ではなくなりました。
私は元々佐藤さんほどエネルギーがないので、90歳をだいぶ前にして鼻炎に対する抵抗力が無くなったようです。
朝から晩までくしゃみ連発していた頃が懐かしい(笑)



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by s-jw | 2018-01-24 17:09 | 趣味 | Comments(4)

「空の中 」

12月30日 有川浩「空の中 」★★★★☆

高大の二学期最後の日に、森ノ宮のまちライブラリーで借りた本です。
ここは文庫本も比較的綺麗な状態なので、荷物が多くて重い時は文庫本を借りるようにしています。なんせ今のクラスは持って帰る紙類が多いのです。
有川浩さんは好きな作家さんです。
一番初めに読んだのは映画化されて有名になった「阪急電車」
よく知っている地域が舞台なので、面白かった。
その後、「フリーター、家を買う」「三匹のおっさん」なんかもお気に入り。どちらもドラマ化されています。
有川さんは高知県出身なんですが、その高知が舞台の「県庁おもてなし課」も何度も読むほど面白い。こちらは映画になっています。
「空の中」も、高知県が半分舞台です。
自衛隊三部作と称される一つで2004年の作品です。SFファンタジーで、私はファンタジーが結構好きなのです。
高度○万メートルに浮かぶ未知の物体と人間との交流、反目と和解。魅力的な登場人物達。さくさく読める小説です。

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!
今年もどうぞ宜しくお願いいたしますm(__)m



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by s-jw | 2018-01-04 10:42 | 趣味 | Comments(2)

「イコン」

12月6日 今野敏「イコン 」★★★☆☆
1995年初版発行の小説です。2016年11月15日第一刷発行の文庫本を、図書館で借りて読みました。
イコンとは、アイコンの起源となったギリシャ語で、東方正教会で使われる宗教画の事です。イコンは現世と神の世界をつなぐ窓だと考えられていたんだそう。パソコンのアイコンは現世と機械の中にある別世界をつなぐ窓ということでしょうか・・・
1995年なので、パソコンが一般家庭に徐々に普及していた頃ですね。
ちなみに私は2000年に、初めてパソコンを買いました。遅い方だったと思います。会社では決められたソフトに数字を打ち込むだけでパソコンを使っていましたが、私生活では必要なかったのです。ようやくパソコンを買っても使い道がありませんでした。
毎日パソコンを立ち上げるようになったのは、友達の紹介でmixiに登録して日記を書くようになってからです。書くことが好きなので、楽しかったな~
それまでは1000円未満だった通信費が膨大な金額になったので、ダイヤル回線からISDNというのに変えたんだった。
携帯はその前から使っていたけど、メールは出来ない機種だったと思います。
この小説では、パソコン通信という情報をやり取りするサービスを軸に物語が展開していきます。いわゆるチャットと言われるサービスです。聞いたことがあるけど、その頃の私には未知の世界でした。
この小説が出た頃には、理解出来ない読者が多かったのではないかな・・・
それが今ではスマホが浸透して、パソコンを使わなくなった若者も多いとか。
20年と少ししかたっていないのに、時代はどんどん変わっていきます。

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by s-jw | 2017-12-13 20:53 | 趣味 | Comments(2)

「晩鐘」

11月19日 佐藤愛子「晩鐘」★★★★☆
家でいろいろ本は読んでいるのですが、感想文となるとなかなか書けません。
久しぶりに大作を読みました。
佐藤愛子さんは御年94歳で、これは2014年に発表したもので、91歳の時の作品となります。今の私の母と同じ歳だ~ 考えられない。母は家では手におえないので、2014年にホームに入居したのです。
母より二歳下の田辺聖子さんだって、最近は小説を書いていないのです。
佐藤愛子さんのこのバイタリテイーはどこから湧いてくるのでしょう。
「晩鐘」は佐藤愛子さんの私小説です。15年間夫婦であった元夫畑中辰彦(小説の中での名前)との出会いから亡くなるまでの約55年間の出来事が綴られています。
この男が、悪気はないけどどうしようもないクズ男で回りを巻き込んで不幸にしていきます。
主人公の藤田杉(佐藤愛子さん)は惚れた弱みとは思えないけど、辰彦がどうしようもないことを起こすたびに怒りながらも心のどこかで面白がってお金を調達するのです。
杉どころか何人も何人も、金持ちからも貧乏人からも性懲りなく借金を繰り返すのです。辰彦付きの二人の運転手のうち、一人は会社倒産後自殺し、もう一人は妻子に内緒で家を抵当に入れて辰彦の会社の返済に当てました。辰彦のために不幸になった人は数知れないのです。
杉だって「債権者から家と家族を守る為」と言われて離婚したら、すぐさま若い女と再婚されて、その後も借金の尻拭いを何度もさせられます。その若い女でさえも夜の仕事で貯めたお金も宝石も貢がされます。家もだったかな・・・
こんな男、そばにいたら不幸になるだけと思っていても、ついついほだされるのでしょうか?
元々は金持ちの実業家の息子なので実家からもさんざん搾り取って、両親が亡くなった時、兄弟から遺産相続させられないと言われながら三千万円もらっても、借金の返済に右から左に消えました。親から搾取したのは、三千万どころではないはず。
面白かったけど、最後まで読んだら疲れました。
佐藤愛子さんは夫との間に一人娘がおられて、二所帯住宅で住んでいるそうです。娘さんが生まれたことは夫に感謝しているとか・・・
畑中辰彦も一つだけでもいいことしたのですね。


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by s-jw | 2017-11-24 12:05 | 趣味 | Comments(2)